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日本の臓器移植

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心臓移植のまとめ

 

  心臓移植の現状20140731現在

 

    心臓移植の現状20141231現在

 

  心臓移植の現状20151231現在

 

      心臓移植の現状20170831現在

 

      心臓移植の現状20171231現在

 

      心臓移植の現状20180831現在

 

 

  The Registry Report of Heart Transplantation in Japan (1999-2013)  Circulation Journal

 

  The Registry Report of Heart Transplantation in Japan (1999-2014)  Circulation Journal

 





 

これまでの移植症例

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国内の心臓移植の現状(2018年8月31日現在)

 

1.概 況

 

  • 心臓移植は、現存するいかなる内科的・外科的治療を施しても治療できない末期的心不全患者に対して、脳死となったドナーから摘出した心臓を移植することにより、患者の救命、延命、およびクオリティ・オブ・ライフ(QOL:生活の質)を改善することを主たる目的として行われます。

 

  • 現在、国内で心臓移植実施施設(11歳以上の患者)として認定されている施設は、国立循環器病研究センター、大阪大学、東京大学、東北大学、九州大学、東京女子医科大学、埼玉医科大学、北海道大学、岡山大学、名古屋大学、千葉大学11施設です(20188月31日現在)

 

  • 法改正に伴い、身体の小さな小児(10歳未満:10歳以上はこれまでも成人のドナーからの心臓の提供が可能)の心臓移植が国内でも実施できるようになりました。10歳以下の小児の心臓移植を実施してもよい施設は、国立循環器病研究センター、大阪大学、東京大学、東京女子医科大学の4施設です(20188月31現在)。

 

  • 改正臓器移植法施行後、脳死臓器提供が増加したことに伴い、心臓移植の実施数も増加し、2017年は56件でした。

                                                                


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  • 心臓移植希望者の日本臓器移植ネットワークへの登録は、「臓器移植に関する法律」が施行された199710月から開始されました。1999228日に1例目が大阪大学で実施されてから、19年が過ぎ、20188月末までに408の心臓移植が実施され(国立循環器病センター113人、東京大学108人、大阪大学102人、東京女子医科大学26人、九州大学24人、東北大学18人、埼玉医科大学9人、北海道大学5人、名古屋大学2人、岡山大学1人)ています。

  • 改正後の特徴として、東京大学の心臓移植件数の増加があげられます。

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国内の小児脳死臓器提供と小児心臓移植の現況

  • 法改正により15歳未満の方からの脳死臓器提供ができるようになりましたので、児童(18歳未満)の方から臓器提供が行われる際の、レシピエントの選択基準が決められました。臓器毎に選定基準がちがいます(下記)が、心臓では日本臓器移植ネットワークに登録された時の年齢が18歳未満の小児が優先されることになりました。

 

  • 18歳未満のドナーが現れた時に限り、18歳未満のstatus 1の小児が候補者にいなかった場合、医学的緊急度(status)の基準を超えて、status 1の成人より、status 2の小児(18歳未満に登録された患者)を優先することになりました。

  • 心臓    ・ドナーが18歳未満の場合は、登録時18歳未満の小児を優先   

         ・血液型一致、適合の順で、医学的緊急度status 1、2の順で選択する

  • 肺     ・ドナーが18歳未満の場合は、ドナー・レシピエントは身長比で選択

  • 肝臓    ・ドナーが18歳未満の場合は、登録時18歳未満の小児を優先

  • 腎臓    ・ドナーが20歳未満の場合は、選定時20歳未満である小児を優先

 

  • その結果、法改正後、18歳未満の方からの臓器提供が2018年8月31日までに27件あり、そのうち22名の児童(18歳未満に登録)から心臓の提供を受け、22人の児童が心臓移植を受けることができました。

  • 心臓が提供されなかった5人のドナーの内、3人は心臓移植を希望していて待機中に脳死になった児童です。

 

 

  • 2012年6月15日に、国内初の6歳未満小児の心臓移植が行われ、2014年11月24日に国内初の小児用補助人工心臓EXCOR(いわゆるBerlin Heart)を装着した6歳未満小児の心臓移植が行われました。

  • 20158月にEXCORが保険償還され、20188月末までに、EXCORを装着した20名の小児が心臓移植を受けています(海外13人、国内7人)。

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  • 国内において、成人ドナー10人、小児ドナー22人から、32 人(女児14人、男児18人)の小児(18歳未満)が心臓移植を受けています(2018年8月31日現在)。

  • 原疾患は、拡張型心筋症(DCM)25人、拘束型心筋症(RCM)1人、拡張相肥大型心筋症1人、心筋炎後心筋症2人、DCM/RCM 2人で、男児18人でした。

 

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  • 国内で心臓移植を受けた32人中、24人で移植前に補助人工心臓(VAD)が装着され、7人がカテコラミン投与、1人が医学的緊急度2(入院待機)でした。

  • 24人のVAD装着後に心臓移植を受けた小児例は、以前は体外設置型のニプロVADを装着していた患者さんがほとんど(8人)でしたが、体格の大きな小児9人では植込み型VAD(Jarvik2000 5人、EVAHeart 1人、HVAD 1人、HVADの両心VAD 1人、ニプロ(R)とEVAHeartの両心VAD1人)が装着され、体格の小さな小児7人ではEXCORが装着されていました。

 

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  • 32人の待機期間は117-1764日(平均653日)、補助人工心臓装着期間は45-1165日(平均667日)でした。

  • 1人が移植後11年目に腎不全で、1人が移植後1年半で肺炎死亡されましたが、他の30人は生存中で、10年生存率は95.5%です。

 

海外渡航小児心臓移植の現況

  • 国内での心臓移植が非常に困難な10 歳未満の小児を含め、118人が1984 年から2017年12月末までに海外で心臓移植を受けています。男児59人、女児59人、ほぼ同数で、移植時の平均年齢は7.7歳でした。移植を必要とした疾患の大半は拡張型心筋症(76人)でしたが、拘束型心筋症(27人)が多いのが特徴です。

  • 拘束型心筋症は、左心室が小さいために補助人工心臓を装着することが出来ず、また、病態から肺高血圧・肝腎機能障害に陥りやすいため、医学的緊急度が1度でないと国内では心臓移植が受けられない現状では、海外で心臓移植を受けなければならない状況です。

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  • 海外で心臓移植を受けた小児(70人)の多くが機械的循環補助のない状況で移植を受けていますが、36人が左心補助人工心臓(LVAD)を、5人がECMO(体外式膜型人工肺装置)を装着後に移植になっています。

 

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2.年間移植件数

 

世界の心臓移植件数

  •  国際心肺移植学会の統計によると、全世界で1982年から20156月末までに計127,097件の心臓移植(年間約4,500-5,000件)が行われています。アジア各国でも多くの心臓移植が行われており、2016年末までに台湾で1,439件(2004年を含まず)、韓国で1,317件の心臓移植が行われています。

 

  • 特に韓国では2000年に臓器移植法が制定された後、一時的に心臓移植数は減少しましたが、2005年に法が改正され、2011年に韓国臓器斡旋機関(KODA)が発足してから脳死臓器提供が増加しました。韓国の脳死臓器提供は2015年に501件、2016年に573件に増加しましたが、臓器提供のスキャンダルがあり、2017年には515件に減少しましたが、心臓移植はむしろさらに増加していて、2016年に156件(VADからのブリッジは1例)、2017年に186例(ブリッジ数不明:数例と聞いています)となっています。

  • これまで韓国の心臓移植は機械的補助からのブリッジはほとんどECMOからで、心臓移植件数の20-30%を占めていましたが、20189月に植込み型VADが心臓移植とDestination Therapyに保険償還されましたので、植込み型VADからのブリッジ例が増加するといわれています。

 

  • 台湾では長年にわたり地域の努力で脳死臓器提供、心臓移植が行われていましたが、2002年に国レベルのネットワークTORSCが開設され、脳死臓器提供は漸増している。台湾106件(日本64)で、77件の心臓移植が行われています。

 

 

1997

1998

1999

2000

2001

2002

2003

2004

2005

2006

2007

2008

2009

2010

2011

2012

2013

2014

2015

2016 2017

韓国

31

30

34

14

21

11

15

23

26

29

50

84

65

73

98

107

127

118

145

156 184

台湾

66

54

41

43

52

28

68

87

72

74

84

90

81

89

76

77

80

75

77 82

 

  • 2009 年の人口100 万人あたりの心臓移植実施数を比較すると、アメリカやヨーロッパ各国が5-6 人であるのに対し、日本は0.05 人でした。台湾(3.7人)、韓国(1.3人)と比較しても、いかに少ない件数であったか分かると思います。

  • 法改正後、国内の心臓移植実施率も増加しましたが、2016年は51件でしたので、下の図にしめすように0.37人にしか至っていません。一方、この間、米国の9.96人をはじめ、各国の心臓提供率は増加し、韓国も3.04人にまで増加しています(韓国で人工心臓を必要とした人は1人です)。

 

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  • 旧臓器移植法が施行され、心臓移植の治療効果が一般国民に知られようになったにもかかわらず、脳死臓器提供が伸び悩んだ結果、旧法成立後却って海外渡航をうけた患者は増えています。国内で心臓移植の受けられなかった10 歳未満の小児に限らず、国内で心臓移植可能な、体の大きな小児や成人の方が海外で心臓移植を受けています。

  • しかし、2008年5月にイスタンブール宣言(自国内で死体臓器提供を増やしなさいと言う宣言)が出され、ヨーロッパ、オーストラリアなどが日本人の受け入れを制限した影響もあって、2009年をピークに海外渡航心臓移植件数は減少していました。

  • しかし、EXCORの登場で乳幼児期に心不全に陥った小児が救命され、海外渡航が可能になったため、海外渡航心臓移植は減少していません。

 

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日本での心臓移植件数

  • 一方、国内での心臓移植件数が増加し、2013年2月には、ついに国内で心臓移植を受けた人数が、海外で受けた人数を追い越しました。

  • 20188月末までに国内で心臓移植を受けた408人は全て、移植直前の医学的状態の緊急度が非常に高いstatus 1の患者さんで、408例のうち386人(94.6%)に補助人工心臓(LVAS)が装着されていました。それに対し、米国では年間約2,400 件の心臓移植が行われていますが、status 1 の患者さんはその62%で、補助人工心臓を装着されている患者さんは45%でした。

  • 国内で心臓移植を受けた人の待機期間は、平均1,077日(294,751日)で、status 1 での待機期間は平均942日(291,707日)、機械的補助期間(補助人工心臓の装着期間)は平均970 日(20 日~1,738日)でした。

  • 米国では臓器提供件数は様々な努力で増加し、2017年には3,244人の心臓移植が行われました。以前はstatus 2から心臓移植を受けた患者さんも多かった[2005年で2,215人中、status 1A 847人(38.2%)、1B 728(32.9)2549(23.8%)、VADからのブリッジが474(21.4%)]でしたが、2017年ではstatus 1A 2,236(68.9%)1B928(28.6%)280(2.5%)VADからのブリッジが1,517(46.8%)となり、ほとんどがstatus 1になっていますが、日本はそれ以上にVAD[からのブリッジが多く、待機期間が長い状況です。

  • 長らく、体外式の補助人工心臓しか、国内で保険適用されているものはありませんでしたが、2010年12月8日にEVA HeartとDura Heartが薬事承認され、保険で4 月1 日から使用できることになりました。その結果、最近ではほとんどの症例が植込み型LVADになってきています。

  •  最近ではHeartMateⅡが主に用いられているため、心臓移植患者408人の内、HeartMate90人、EVAHeart73人、DuraHeart47人、Jarvik200035人となっています。残念ながら、国産のDuraHeartが製造販売を中止しました。一方、近く、HVADが保険償還される見込みです。

  • その結果、改正前は体外式が42件と60%以上を占めていましたが、改正法施行後に減少し、2016年には体外式はEXCOR 1例でした。2017年に3例の体外式ニプロVADからの心臓移植が行われましたが、この3例で体外式ニプロVADからの心臓移植は最後になるのではないかと予測されています。

  • 2018年には8月末までに35例の心臓移植が行われ、植込み型VAD 31人、EXCOR 2人、強心剤2(いずれも6歳未満の小児)からの移植でした。

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  • 改正法が施行され心臓移植実施件数は増加し、status 1待機期間が短縮しましたが、その後、心臓移植を希望して登録する患者が急増したため、2015年以降は待機期間が逆に増加し、2018年は8月末時点で1,230日となりました。

心臓移植 20170831_ページ_15 (800x600).jpg

3.移植待機者数

 

  • 様々な研究結果から、国内の心臓移植適応患者数は年間228~670 人であると推定されています。

  • UNOS(全米臓器分配ネットワーク)の1999 年の資料から心筋症で移植を希望した患者数を計算すると3,245 人となり、人口当たりの患者数で換算すると、日本で心臓移植が必要な人は約1,600 人いることになります。

  • 心臓移植の再開に伴い心臓移植希望の待機患者数は次第に増加し、2018年9月末までに1,581人が心臓移植候補として登録されました。原疾患の90%以上は拡張型心筋症あるいは拡張相肥大型心筋症です。そのうち、国内で415人に心臓移植(この他に3例心肺同時移植)が行われましたが、66人は渡航移植し、357人は待機中に亡くなっています。

  • 改正法施行後心臓移植件数は増加したため、一旦待機患者数が170人くらいに一定化(プラトー)に達したように思われましたが、新規登録患者が急増しており、待機患者数2011年後半から再び増加傾向にあり、2018年9月末現在の登録患者は714人になりました。

  • 同時にLVADの成績が向上してきたため、現在の心臓移植・新規登録患者の推移とLVADの成績の向上を加味して推測すると、LVAD装着後の待機期間が10年以上になると予想している報告も出てきています。

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4.待機中の死亡者数

 

  • 心臓移植が必要と考えられている、β遮断剤、ACE 阻害剤などの薬剤に抵抗性の心不全患者さんの予後は不良で、1 年生存率は50%前後しかありません(つまり1 年以内に半数の患者さんが死亡します)。

  • 先に述べた新規患者数から計算すると、心臓移植の適応がありながら亡くなっている人が毎年228人から670人いると推定されます。

  • 2018年9月末までの登録待機患者1,581人の中で、357人が亡くなっています。

 

5.移植成績

 

  • 国内で2018年8月末までに心臓移植を受けた408人のうち、これまでに30人が死亡されましたが、残りの478人は生存し、2018年9月末時点で4人以外は外来通院しています。

 

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  • 生存率は 5年92.5%、10年89.1%、15年85.1%です。

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  • 改正施行後、ドナーの方の年齢が上がったこと、ドナーの方の死因が頭部外傷やくも膜下出血以外の全身性疾患が増えたことなどから、有意差はありませんが、やや心臓移植後の生存率の低下がみられていて、現在その原因を調べているところです。

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  • また、3年前に心臓移植を受ける年齢条件を60歳から65歳まで引き上げたので、心臓移植時の年齢別の生存率を調査したところ、55歳以上で移植を受けた方の生存率が、他の年齢の方の死亡率より有意に悪いことが分かっています。そのため、更に年齢条件を緩和することについて、2015年の段階では見送られることになりました。

 

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